Q 和文と欧文のQ数が同じなのに大きさが違うんですけど?
高さもズレているんですけど?
A 私たちにも「設定が間違っていない?」「ズレちゃっているよ」と言われることがあります。
念のため確認をするのですが,本当に間違っていることはないとは言い切れませんが,たいていの場合は正しいです。
では,どうしてそのように感じるのか?
そもそもの原因として,和文と欧文の基準が異なるのです。
美しい組版にこだわるのであれば,その基準を理解したうえでの,フォント選びと設定が重要になります。
見本にあるように,和文フォントの基準が「仮想ボディ」と呼ばれる正方形の中に
字面が設計されているのに対し,欧文フォントの場合は,ベースラインを基準に
天方向のアセンダライン,地方向のディセンダライン,
さらにいうとキャプライン,ミーンラインの5つの基準線でそろえています。
また,フォントによって,そのラインの高さが異なります。
Q WordやExcelで文書を作成したときに行末がそろっていないのが気になるのですが……
A InDesignやIllustratorであれば,和欧混色でも簡単にそろえることができるのですが……
WordやExcelの場合にはスペースを入れたりして調整をするのはたいへんですよね。
実はこのブログでも同様なので,改行で誤魔化しています(苦笑)。
和文フォントであれば,正方形(仮想ボディ)基準なのでズレは生じないのですが,
欧文フォントの場合,文字によって異なるものも多いのですし,
半角ベースで均一なものの場合は逆にパラパラしてみえたりするので確かに悩ましいですね。
直接の解決策にはなりませんが,和文とのバランスを重視するのであれば,
和文フォントに付属の欧文フォントをそのまま使用するほうが影響は少ないかもしれません。
あとは,WordやExcelでも簡単で便利な均等割りの機能がつくことを気長に待ちましょう。
A 前述の見本にあるように,和文フォント付属の欧文フォントはベースラインなども調整され,
バランスがよいのですが,当然好みの組み合わせではない場合もあるでしょう。
InDesignでは,和文と欧文だけでなく,漢字,ひらがな,カタカナ,約物のフォント,サイズ,
ベースラインを個別に設定できる「合成フォント」という機能があります。
それぞれに設定できるため,小ぶりな欧文フォントを大きくしたり,ベースラインをあげたり,
といったことが可能になります。
最近の流行(?)としてはひらがなやカタカナの間隔を詰めることが多いのですが,
禁則処理の関係や行頭の1字をなんとか前の行につめたいといったときに,
かえって極端に字間が開いてしまうなんてケースもあります。
A 正規表現,DTPに関わる人であればよく聞く用語ですが,その定義をみると…
文字のパターンを表現する方法のひとつ。特定の文字(メタキャラクター)を使って、汎用的に文字列のパターンを表現し、文字列の置換、検索などに使用する。たとえば、「.」は任意の文字を表し、「*」は前の文字の繰り返し、「^」は行頭、「:」は行末を示す、などさまざまな表現方法がある。これらを使うことで、「数字ではじまり、ひらがなを含む行」や「行末が(。)で終わらない行」といった複雑な文字列のパターンを表現できる。文字検索の「grep」や置換の「sed」、高度なテキスト処理が可能な「AWK」や「Perl」など、正規表現はUNIX関連のテキスト処理コマンドやツールで広く利用されている。 ASCII.jpデジタル用語辞典より引用
なんだかわかりにくいですが,「文字列を特定のパターンに当てはめる」ということです。
InDesignの機能としては,
たとえば,文章中の( )内のフォントの種類・大きさを一律で小さくしたいときや,
使用する異体字を特定のものに限定するなどの設定をしておく,といったときに重宝されます。
つまり,特定の条件のもとでは力を発揮する一方で,ルール化ができていないと使いようがありません。
A 欧文フォントでは文字ごとの左右幅が異なりますが,
文字の並びによって,文字同士が微妙にくっついてしまうことがあります。
そんなときに「fl」「fi」「ff」などを「2つで1文字」となった合字設定を使用します
(下記サンプル参照)。

サンプルのように,「i」の天が完全になくなっていたり,「f」の横棒が一直線につながります。
これを美しいと感じるか,それぞれをはっきりと表現してほしいか,
どちらが正しいかは人それぞれ。
実際に「くっつかないようにして」と要望されることもありますが,
字間をあけることでパラパラとした印象に感じるのも否めません。
あなたの正解はどちらでしょうか?