いまさらですが,Prog vol.31から紹介させていただきます。
(現在,Prog. vol.34まで発行中)
特集1は印刷で表現できる「黒」。
Prog vol.29では,インキを変えることで黒の濃度を変える方法を紹介しましたが,
今回は4色のオフセットインキで表現できる「黒」を紹介してみました。
実はこの企画,webだと実感できないのですが……
「オイオイ,それをいっちゃあぁおしめぇよ」(「男はつらいよ」の寅さんの名セリフ)
なので,ちょっぴり加工してみました。
下の画像には,印刷的に仕上がりの異なる5つの黒があります。
それはどこでしょうか?
レベル補正でBkの割合をさげたのですが,今度はわかりすぎてしまいますかね?
(そもそも寅さんのセリフじゃない? 映画つながりということでご容赦ください)
5つの黒の特徴,なんとなく感じていただけたでしょうか…
以前,リッチブラックを紹介する記事を書きましたが
リッチブラックってどんな色? ーホワイトデーのほかにブラックデーがあるらしい?
Bkの単色ベタよりも,CMY(青・赤・黄)をのせることによってより深みのある黒や,
赤みがかった黒,青みがかった黒などを表現することができます。
ただし,webでは実感することが難しいです。
印刷時の注意
Progにも書きましたが,いくら深くのある黒を表現したいとはいっても,
濃くしすぎると印刷の場合にはウラヅキ(インクが乾かず重なった用紙についてしまうこと)
の原因になりますので,注意が必要です。
速乾性のインキの性能が発達しているとはいえ,
CMYKの濃度の合計値が350を超えないようにしておいたほうがよいです。
また,Progではご紹介しませんでしたが,意外と多いのが,意図していないリッチブラック(4色黒)。
リッチというか,印刷会社的には「事故ブラック」です。
一見モノクロ画像のようにみえていて,
実はRGB画像のママで貼ってあると印刷でCMYK4色に変換されてしまいます。
PDFなどをそのままの状態で使うといったときに,文字が4色になるのも同じリクツです。
リッチブラックのようにスミが濃くなるならいいのでは……??
と思われるかもしれませんが,特に明朝体などの細い文字の場合,
ちょっとした版ズレで文字がブレブレになったり,ズレ具合で黒の色味が転んでしまいます。
版ズレって?? 仕事人として,父として…もっと伝えます!! その3
コレは印刷前に絶対に直しておいたほうがよいポイントなのですが,
データの作りによっては,そうもいかないケースもあります。
手にする印刷物の「黒」にぜひ注目してみてください。
次回は,「黒」のこだわり続編。「黒ベタだって透けてしまう?」をテーマにします。
リッチブラックってどんな色? ーホワイトデーのほかにブラックデーがあるらしい?
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