祭壇に飾られた会長の遺影、
永和印刷の広報紙Prog vol.4の新年のご挨拶にも使用したものですが、
弊社4階の営業部の一番奥からみんなの仕事ぶりをあたたかく見守っている会長の姿を
思い出させる写真でした。
私が永和に入社したのは18年前の平成9年でしたが、
葬儀にはすでに退職した当時バリバリだった先輩方もたくさん集まり、
お清めの席はOB会さながらだったようです。
(社長含め、葬儀受付等の対応をしていた現役世代が同席できなかったのは残念ですが、
しばらくお会いしていなかった先輩たちの元気な姿をみることができました)
私に仕事を教えてくれたK松原先輩たちも「お父さん」みたいな感じと語り、
会長(当時は社長)のことをとても慕っていました。
その後、先輩の後を私が引き継ぐことになったとき、
今のH山よりもはるかに仕事のことが全くわかっていない
非常にダメな営業だった私に、カリスマ的だった先輩の影を押し付けることなく、
私なりのやり方でまかせてくれ、あたたかくサポートしてくれました。
リアルなお父さんの姿は社長やご兄弟しか知りえませんが、
私的お父さん像としてみると、星一徹や波平さんタイプとは真逆の
ドラえもんのしずかちゃんのパパタイプですかね。
※しずかちゃんのパパとは??
……原作ではほとんど登場しないが、「のび太の結婚前夜」の1話のみの登場で
名言を連発で強烈インパクトを残す。
藤子・F・不二雄氏自身がそんな父親だったという説もある。
せっかくなので、その名言を紹介すると、
「パパ! あたし、およめにいくのやめる!!」
「わたしが行っちゃったらパパさびしくなるでしょ。
これまでずっと甘えたりわがままいったり……
それなのに私のほうは、パパやママになんにもしてあげられなかった」
と語るしずかに対して、
「とんでもない。
きみはぼくらにすばらしいおくり物を残していってくれるんだよ。
数えきれないほどのね。
最初のおくり物はきみがうまれてきてくれたことだ。
午前3時ごろだったよ。
きみの産声が天使のラッパみたいにきこえた。
あんな楽しい音楽はきいたことがない」
「病院をでたとき、かすかに東の空が白んではいたが、
頭の上はまだ一面の星空だった。
こんな広い宇宙の片すみに、
ぼくの血をうけついだ生命がいま、うまれたんだ。
そう思うとむやみに感動しちゃって。涙がとまらなかったよ」
「それからの毎日、楽しかった日、みちたりた日日の思い出こそ、
きみからの最高の贈り物だったんだよ。
少しぐらいさびしくても、思い出があたためてくれるさ。
そんなこと気にかけなくていいんだよ」
「あたし……不安なの。うまくやっていけるかしら」
「やれるとも。
のび太くんを信じなさい。
のび太くんを選んだきみの判断は正しかったと思うよ。
あの青年は人のしあわせを願い、人の不幸を悲しむことができる人だ。
それがいちばん人間にとってだいじなことなんだからね。
彼なら、まちがいなくきみをしあわせにしてくれるとぼくは信じているよ」
出典 ドラえもんより「しずかちゃんのパパの名言」 - 一祥庵・女将の日記 - Yahoo!ブログ
しずかパパ、かっこよすぎです。
私も2人の娘の父ですが、こんな名言は絶対に言えません。
泣くか、酔っ払って娘のダンナに絡むのか、手をとって感謝するのか…
どうなんだろう?
話は脱線しましたが、会長もあたたかみのある人柄でした。
池波正太郎や和田竜の時代小説が好きで、おもしろい小説があると貸してくれました。
江戸川橋の関口パンでおいしいパンを購入しては社員にふるまってしました。
月末になるとソロバンをパチパチはじく経営者としての一面(?)ももちろんありましたが、
どの社員に対しても必要以上の口出しをせず、あたたかく背中を押すように接していたと思います。
この春に完成させた本や、これから制作する完成を心待ちにしていた本を
会長に手渡して永和印刷の再創業を実感して喜んでもらいたかったのですが……
それだけが残念でなりません。
あの本ができたら、インフルエンザで葬儀に参列できなかったH山に
届けさせようと思いますので、楽しみに待っていてください。