ごぶさたしていました!! Dr. Hagiです。
今年初登場です。どうぞよろしくお願いいたします。
今回は「モアレとその対処法」についてご説明します(パチクリ)。
印刷物から取り込んだ写真にモアレが出てしまいました
Dr.Hagi
一般的なオフセット印刷物の場合、網点の大きさで、階調を表現しています。
印刷物はその網点の集合のため、通常の写真と同じようにスキャニングをすると
モアレが出てしまいます。
刷リカラス
ちょっと補足します。モアレとは・・・
繰り返し模様(印刷では網点のこと)を複数重ねることで、
そのズレによる発生する縞模様のことをいいます。
新聞や雑誌の記事などをスキャニングすると、その印刷物自体で構成されている網点と、
スキャニングした画像を出力する際に構成される網点が干渉しあってモアレが発生します。
↓モアレ写真の例

週刊プロレスNo.1685 (2013年5月29日号)連載の「鈴木みのるの独り言」をサンプルとしてご紹介します。
「週プロ」の連載でなぜこのような写真を使用したのかについてはあえてなのか、そうでないのかは私にはわかりませんが、こういう現象をモアレ(モワレ)といいます。
印刷に限らず、昔のテレビ(ブラウン管テレビで縞模様のシャツなどに画面上に別の模様があらわれる)などでもみられました。
印刷物から取り込む場合のほかに、製版フィルムから画像を読み込む場合にもモアレの問題が発生します。
アナログからデジタルの移行にはモアレ問題が必ずついてくるといっても過言ではありません。
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モアレってどうして出るの?
Dr.Hagi
CMYK 各色にはそれぞれ決められた角度と網点と線数があります。
絵柄によっては(ストライプ柄や細かい線など)網点と角度が
ケンカすることになり、その結果モアレが発生します。
対処法としては、高解像度でとりこむディスクリーリングとコピードットがあります。
ディスクリーニングとコピードットって何のこと?
Dr.Hagi
どちらも通常のスキャニングより高解像度の特殊なスキャニングです。
どちらを選ぶかは用途によって異なります。
ディスクリーニングは、網点をピクセルに変換する機能で、
元の網点をぼかして目立たないように処理します。
コピードットに比べ、データ容量が軽く、デジタル加工ができる利点が
ありますが、通常のスキャニングほどではないものの、元画像からの
劣化はしてしまいます。
それに対して、コピードットは分版フイルムを専用スキャナで読みとり、
網点(ドット)一つ一つをビットマップファイルに忠実に再現します。
ロゴ、色文字を含むイラストなどのデジタル化に最適です。
ただし、容量が重たくなり、修正もできません。
刷リカラス
デジタルデータが存在せず、過去のフィルムを流用する場合、
サイズの変更を含め修正をするのであれば、ディスクリーニング、
修正はせず、なるべく元の品質を保持したいのであればコピードット。
そう覚えていただければバッチリです!!
若かりし日のDr. Hagiの思い出
萩:「モアレの説明をもう一度、聞いてもいいですか?」
先輩方:「だから、網点をスキャニングするわけだから……」
その昔(実はそんなに昔ではない・笑;)、モアレの説明を何度聞いてもしっかり理解できなかった頃を思い出しつつ、今日も「綺麗なモアレが出てるなぁ」と凹みながら仕事に励むDr. Hagiでした。