数年前から活版印刷が見直されているそうです。
といっても、現在の印刷業界の主流はオフセット印刷であり、小部数であればオンデマンド印刷です。
活版印刷で印刷をするというのは、「あえて」&「こだわり」の世界で、
見直されているというのは、名刺などで活版印刷独特の工程と仕上がり具合が重宝されているようです。
頁物の書籍を活版で印刷するという行為はもはや道楽・趣味・芸術の範疇になってしまいます。
私が永和印刷に入社した17年前には、社内ではすでに活版印刷の設備はありませんでしたが、
昔ながらの仕事で活版印刷を残しているものもあり、文選や印刷の様子をみせてもらい、
版下からのアナログ製版(フィルム作成)→刷版(PS版)→オフセット印刷の工程が
とても近代的なものにみえたものですが、
いまではアナログ製版やフィルム、PS版すらなくなりつつある存在ですから、
「いわんや活版をや」ですが、まだまだ頑張っている活版屋さんが存在します。
活版印刷をみると、子どものころに体験した「版画」のようなノスタルジーを感じます。
最近、活版印刷が見直されているというのは、活字の印厚の力強さもありますが、
その製造工程にも魅力を感じる人が多いからではないでしょうかね。
先日、自らの作成した動画をアップする際、
YouTubeで他にはどんなものがあるのかなとみていたら、
このような動画をみつけました。
製作工程そのものがすごく味わい深いです。
活版印刷職人・加藤隆男さんの「活字拾い、組版、印刷から裁断」まで
秋田県の山村で、もう47年間も活版印刷の地元紙を発行する「上小阿仁新聞」加藤隆男さんに
「活字拾い、組版、印刷から裁断」までの一連の工程を見せていただきました。
永和印刷の近所に凸版印刷の「印刷博物館」があります。
印刷の歴史を紹介していますが、特に活版印刷の展示も充実しています。
大人のための「活版印刷講座」や、夏休みには小学生以上のお子様を対象に、
活版印刷体験として暑中見舞いのハガキを作るイベントも開催していますし、
入館料も安いのでキッザニアで大日本印刷ブースで「印刷屋体験」がやるよりも、
はるかに印刷の雰囲気が味わえると思います。
正直、キッザニアにあるのはパソコンとプリンターがあれば、
どこでもできるような代物なので、親としては印刷屋さんに興味を持ってもらいたい一方で、
実際の印刷はそんなものじゃないんだよとガッカリした思い出があります。
お時間があれば、
活版印刷については、印刷博物館で学んでいただき、
オフセット印刷については、
永和印刷で実際に印刷している工程を見学してみませんか。
社員一同、歓迎いたします!!
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